ガス圧接とは?手順や特徴、種類、用途、おすすめメーカ3社を紹介

複数の母材を接合する方法は数多く存在していますが、その中でも鉄筋の接合に適した方法がガス圧接です。簡単かつ強固に接合できることから、建築現場などでは幅広く活用されています。

今回はそんなガス圧接の基礎知識として、ガス圧接の手順や特徴を解説します。ガス圧接機のメーカも紹介するので、参考にしていただければ幸いです。

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1.ガス圧接とは何か?

(1)圧接とは?

圧接融接、ろう付けと並ぶ溶接加工の1種です。熱や圧力を加えることで2つ以上の母材同士を接合する加工方法となっています。

融接やろう付けが母材を溶かして接合するのに対し、圧接は母材を溶かさずに固体のままで接合できるという特徴があります。

圧接にはさまざまな種類があり、本記事のテーマであるガス圧接もその1つです。圧接の基礎知識やガス圧接以外の圧接の種類については、別の記事で詳しく解説しているのでぜひご一読ください。

(2)ガス圧接とは?

①ガス圧接の概要

ガス圧接は、主にアセチレンガス・酸素を使って接合部分を加熱しながら圧力をかけて接合する方法です。始まりは、1939年に、アメリカのL.Adams氏が鉄道のレールを接合するために用いたときと言われています。

ガス圧接は、比較的簡易かつ高強度に接合できることから、建築現場の鉄筋同士を接合するためによく使われています。

ガス圧接を行うときには、バーナーとガス、母材を固定する圧接機、圧力をかける加圧機などを組み合わせて使用します。バーナーはリング形状をしたリングバーナーというものが一般的で、接合する母材を一周ぐるっと囲んだ状態で均一に加熱していきます。

②ガス圧接の種類

ガス圧接には3つの種類があります。

・手動ガス圧接
最も一般的なガス圧接の方法です。ガス圧接機を使いながら手動で加熱・加圧を行います。

・自動ガス圧接
加熱・加圧などの一連の作業をガス圧接機が全自動で行います。高精度で複雑な構造になるため、取扱いにはノウハウが必要となります。

・熱間押抜法
手動ガス圧接後に形成されるふくらみをせん断除去する方法です。接合部の欠陥を検査するために用いられており、欠陥を目視で判断できるようになります。

③ガス圧接の手順

ガス圧接の一般的な手順は、次のとおりです。

1.母材の端面をきれいにする
グラインダーなどによって母材の端面の異物を除去し、きれいにします。突き合わせたときに大きな隙間が生じないようにできるだけ直角に仕上げます。

2.端面同士を突き合わせて圧力を加える
端面同士を突き合わせて、加圧機によって軸方向に適度な圧力を加えながら保持します。

3.突き合わせ部分を加熱する
酸素やアセチレン炎で突き合わせ部分を加熱しながら、突き合わせ面に圧力を加えていきます。

4.突き合わせ部分にふくらみを形成させる
突き合わせ部が一体化した後も、加熱しながらさらに圧力を加えてなだらかなふくらみを形成します。ふくらみの直径は母材となる鉄筋径の1.4倍以上、長さは鉄筋径の1.1倍以上といった標準規定があるため、規定を満たすふくらみを確保できるまで加熱・加圧を行います。この時、突き合わせ部分の最高温度は1200℃から1300℃にもなります。

(3)ガス圧接の特徴

①ガス圧接のメリット

  • 建築現場などで簡単かつ確実に接合ができる
  • ガス圧接機の持ち運びがしやすく、機動性に優れる
  • 接合部分の強度が高く、母材と同等かそれ以上の強度を得られる
  • ガス炎によって加熱するため、抵抗溶接などの他の圧接方法に比べると大容量の電源が必要ない

②ガス圧接のデメリット

  • 可燃性ガスの扱いに注意が必要である
  • 作業者の熟練度に品質が左右される傾向にあり、専用の資格が必要である
  • 抵抗溶接などの他の圧接方法に比べると接合にかかる時間が長い
  • 加熱による影響を受ける範囲が比較的広い
  • 非金属母材の接合が困難である

③ガス圧接を行うときの注意点

ガス圧接は建築現場ではよく使われているメジャーな接合方法ですが、可燃性ガスを取り扱うため、十分に注意しなければ事故が発生する危険性があります。また、手動での作業が多い接合方法でもあるので、正しい知識と技能を身に着けた有資格者でなければ作業を行うことができないことを覚えておきましょう。

各種資格の名称を挙げているので、参考としてください。

  • 手動ガス圧接資格1種〜4種(作業可能範囲や鉄筋の種類、鉄筋径が異なります)
  • 自動ガス圧接資格
  • 鉄筋継手管理技師
  • 高分子天然ガス圧接資格
  • 超音波探傷検査資格

2.ガス圧接の用途

(1)鉄筋の施工

ガス圧接の主要な用途は建築現場での鉄筋の接合で、ガス圧接継手と呼ばれています。継手というのは、鉄筋同士のつなぎ目のことです。

鉄筋を接合する方法としては、機械式継手、重ね継手、溶接継手などの他の方法もありますが、ガス圧接継手は低コストかつ強度に接合ができるため、最も多く使用されています。

(2)鉄道レールの施工

レールは鉄道に欠かせない構成部材です。レールに継ぎ目があると走行時の安全性に影響を及ぼすため、溶接によってレールを連続化させるロングレール敷設が行われています。ガス圧接は信頼性の高いレールの溶接方法として広く普及しています。

ガス圧接が使われだした初期の頃は大型のガス圧接機しかなく、鉄道基地での作業が主流でしたが、現在では小型のガス圧接機によって現場での作業も行われるようになっています。

3.ガス圧接機のメーカとそれぞれの特徴

ガス圧接では、バーナーや加圧機などのガス圧接機を使用して接合を行います。

ただ、ガス圧接機は、さまざまなメーカから手動タイプ・自動タイプなど特徴のあるガス圧接機が提供されています。ここで、主要なガス圧接機メーカと特徴を簡単にご紹介するので、自社に最適なガス圧接機を選定するときの参考としてください。

(1)東亜圧接株式会社

東亜圧接株式会社は、鉄筋ガス圧接の工事を請け負うだけでなく自動圧接機や自動加圧ポンプの製造販売まで行っています。同社が製造販売する「あっせつくん」は小型の全自動ガス圧接装置で、ガス圧接の全工程を制御することができます。

(2)有限会社二瓶ガス圧接工業

有限会社二瓶ガス圧接工業では、ガス圧接の施工とガス圧接用バーナーの製造販売を行っています。同社の販売するリングバーナーは「IDATENバーナー」といい、薄型設計で圧接部が視認しやすく、高性能の熱効率で大幅に燃料を削減することができます。

(3)白山商事株式会社

白山商事株式会社は、情報通信機器、工具、電力用品、金属接合、加工機械などを扱う企業です。レールガス圧接機を製造・販売しており海外でも活躍しています。小型・軽量で機動性に富んでおり、工場での溶接や現場基地での溶接はもちろん、移動式溶接も対応可能です。

4.製造業のWebマーケティングに関するご相談は株式会社ストラーツ

本記事では、ガス圧接の種類や一般的な手順、特徴に加えて、主要なガス圧接機メーカやおすすめの相談先を紹介してきました。ガス圧接の基礎をご理解いただけていれば幸いです。

ガス圧接は建築現場でよく使われている接合方法です。従来はアセチレンガスを用いていましたが、近年では高分子天然ガス圧接という環境に配慮しつつより安全な工法も開発されています。引き続き、主要な接合方法として活用されていくでしょう。

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