ガンドリルマシンとは?特徴や選び方、おすすめの相談メーカ3選

ガンドリルマシンとは、高圧の切削油(クーラント)を利用して高精度な深穴を加工できる機械です。

穴径に対して10倍以上の深穴を開けられる」ことから、医療分野や自動車分野など様々な分野で利用されています。

しかし、そのガンドリルマシンはメーカによって加工能力に違いがあり、何を選んだらいいのか悩ましいものです。

そこでこの記事では、ガンドリルマシンの概要から特徴図を交えて解説していきます。

また、ガンドリルマシンを取り扱っている主要メーカの主力製品選ぶポイント動作事例も合わせて紹介していきます。

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1.ガンドリルマシンとは

(1)概要

ガンドリルマシンとは、銃製作の技術から生まれた、高い加工精度の穴を開けることができる機械のことです。

その名前の通り、現代でも猟銃などの銃身はこのガンドリルマシンで加工されています。

ではなぜガンドリルマシンが使われるのでしょうか?

穴を開けること自体は、フライス盤や旋盤でも可能です。適切なツールと加工条件を揃えれば、高い加工精度の穴を開けることもできます。

実は、このガンドリルマシンを特徴づけているのは、長い銃身を貫通している穴を開けることにあります。

言い換えれば、長い寸法の円筒金属に精度穴を開けることは見た目以上に難しいものです。

それは穴加工の特性が関わってきます。

(2)何故ガンドリルマシンが使われるのか?

ガンドリルマシンが使われる理由は、深穴の加工精度と加工効率が良いことにあります。

それは下記であげている穴加工の特性に対して、対策がなされた加工機械であることが関係してきます。

穴加工の特性は次の3点です。

  1. 加工状態が見えない
  2. 切り屑を排出しなければいけない
  3. L/Dに比例して加工時間が長くなる

①加工状態が見えない

刃物が削っている様子を確認できる外径の切削加工とは違い、穴加工はドリルがどのように削っているのか見ることができません

そのため、穴加工では切削音や切り屑の形状で加工状態を判断するしかありません。

②切り屑を排出しなければいけない

穴加工の性質上、刃物の形状などによって切り屑の排出は促されますが、全て取り切ることができません

この切り屑が残留していると、刃先などに絡まって加工不良を起こしてしまいます。

こうした加工不良が、穴の加工精度に直結してきます。

③L/Dに比例して加工時間が長くなる

L/Dとは、穴の加工深さL直径Dとの比率のことを指します。一般的にこのL/D比が10を超えるものは深穴加工に該当します。

L/Dが大きいと、切り屑がより排出させ難くなるため、切削速度と送り量を減らす方法ステップ送りで加工する手法が取られます。

また、加工を安定させるためガイド穴をあらかじめ開けておく必要も出てきます。

そのため加工時間が長くなる傾向にあります

これら穴加工の特性から、加工穴が深くなればなるほど、何かしらの対策を打たなければいけないことがわかります。

つまり、切り屑処理をいかに効果的に行うのかが鍵になります。

そうした対策がされた深穴専用の加工機械が、ガンドリルマシンなのです。

2.ガンドリルマシンの構成

ガンドリルマシンは様々な役割を持つ部品から構成されていますが、高精度な深穴加工を実現させている箇所は3つに絞られます。

  1. 高い加工効率を実現させているガンドリルの形状
  2. 優れた表面粗さを実現させている切削油(クーラント)の高圧噴出
  3. 安定した加工を実現させているガイドブッシュ

(1)高い加工効率を実現させているガンドリルの形状

ガンドリルマシンに用いられるドリルは、先端の油穴から切削油(クーラント)高圧噴射し、シャンクV字溝から効率的に切り屑を排出できる形状になっています。

また、刃先の形状によって切り屑を細かく分断し、切り屑の排出を容易にしています。

こうすることで、ステップ加工をすることなく連続加工を可能にしているのです。

なお、ドリルの種類として加工刃とシャンクが一体となったソリッドタイプ、刃先を交換できるスローアウェイタイプなどがあります。

(2)優れた表面粗さを実現させている切削油(クーラント)の高圧噴出

切削油(クーラント)を、高圧豊富な油量噴出することにより、効率的に切り屑が排出することができます。

これにより、加工面と切り屑の干渉も抑えられ、リーマと同等以上の優れた表面粗さを期待することができます。

また、豊富な切削油(クーラント)を供給することで切削温度の上昇を抑制し、工具摩耗の減少仕上げ面精度の向上にも貢献しています。

(3)安定した加工を実現させているガイドブッシュ

ガイドブッシュは、ミクロン単位の精度で管理されており、加工穴の中心軸からドリルがズレてしまうことを防いでいます。

これにより、加工品(ワーク)に食いつく際の変形を抑え、加工を安定させることで優れた真直性を実現させています。

もしガイドブッシュがないと、穴の曲がりドリルの損傷を引き起こしてしまいます。

また、このガイドブッシュが取り付けてあるチップボックス高剛性にすることで、加工精度の向上安定化を高めています。

3.ガンドリルマシンの主要メーカと見るべきポイント

(1)主要メーカの主力製品

ここでは上記で解説したガンドリルマシンを取り扱っている主要メーカの主力製品を表にまとめました。

ガンドリルマシンの取扱状況としては、以下の通りです。

  • ミロク機械株式会社:小径加工機から小型〜大型機まで幅広く取り扱っています
  • 株式会社ハイタック:小径加工機と小型エントリーモデルを取り扱っています
  • 株式会社スギノマシン:小径加工機を加工品(ワーク)の固定方式別に取り扱っています
  • 倉敷機械株式会社:ガンドリル加工、MCガンドリル加工、座グリ・タップ加工に対応した複合ガンドリルマシンを取り扱っています

分類ミロク機械株式会社株式会社ハイタック倉敷機械株式会社
小径加工機・小径専用 量産用ガンドリルマシン(Φ1.4~3.0mm)
MKG-200/300-NC
・高速スピンドル小径専用機(Φ1.4~3.0mm)
Z-200-NC
・極小専用機(Φ1.0mm以下)
MKBG-500-1NC
・相対回転型小径ガンドリルマシン(Φ0.8[0.5]~6.0mm、4.0~13.0mm)
JDH-600RF/JDH-600-R
・テーブル型小径ガンドリルマシン(Φ0.8[0.5]~6.0mm、4.0~13.0mm)
JDH-600-TF/JDH-600-T
・簡易テーブル型小径ガンドリルマシン(Φ1.0~6.0mm、4.0~10.0mm)
JDH-400-STS
中型・小型機・ニータプ NCガンドリルマシン
MSG-600/800/1000S/1000-NC
・仕様を限定したニータプ
MLEG-1000S
・相対回転型 ガンドリルマシン
(Φ1.0~5.0mm)
円筒形状ワーク加工
小型エントリーモデル
JDH-300-R
大型機・大ストロークコラムタイプ
JUMBO-1500/200-NC
・コラムタイプ
MHG-1000/1200/1500-NC
・コラム移動タイプ
MSHG-1500
・複合ガンドリルマシンKGDシリーズ(Φ5.0~42.0mm)
KGD-1411Z/2013/2013B.A
・複合ガンドリルマシン
KGM-1511Z
調査:2021年2月時点

ミロク機械株式会社

ミロク機械株式会社は、ガンドリルマシン、ラッピングマシンや消耗品など、各種工作機械の製造・販売を行っている企業です。

今回紹介したガンドリルマシンを、小径加工機から小型〜大型機まで幅広く取り扱っており、様々なニーズに合わせたガンドリルマシンを選ぶことが可能です。

直近では、2018年秋に完成した極小径専用機(高精度ビルドインモーター搭載)MKBG -500-1NCを販売しています。

株式会社ハイタック

株式会社ハイタックは、創業以来ガンドリルマシンメーカーとして社製マシンの改良・開発を行い、深穴受託加工やガンドリルマシンの製造・販売を行っている企業です。

今回紹介したガンドリルマシンを、小径加工機と小型エントリーモデルを取り扱っており、医療分野や自動車部品などのニーズに合わせたガンドリルマシンを選ぶことが可能です。

直近では、相対回転型 小径ガンドリルマシン  JDH-600-RF / JDH-600-Rを販売しています。

  • 住所:静岡県沼津市西熊堂716-41
  • TEL:055-939-5444(受託加工に関する連絡先)
  • TEL:055-939-5581(機会販売に関する連絡先)
  • URL:https://www.hi-tak.co.jp/ja/

倉敷機械株式会社

倉敷機械株式会社は、大物・重量ワークの重切削加工を得意とする、横中ぐりフライス盤を主力製品とし、そのラインナップにガンドリルマシンの製造・販売を行っている企業です。

他の企業とは違い、中ぐり主軸も装備した複合ガンドリルマシンを取り扱っており、複合ガンドリルマシンKGDシリーズを販売しています。

(2)選ぶ時のポイント

ガンドリルマシンを選ぶ時のポイントは、次にあげる項目に注目して選びます。

そこから設置現場ごとの環境に合わせて細かい条件を詰めていくとよいでしょう。

①設置環境

・地耐力
地耐力とは、地盤が支えられる荷重の耐久力を表す指標です。この地耐力が不足している場合地盤沈下を起こす危険性があります。

そのため、設置したい加工機械の総重量設置箇所の地耐力は予め調べておく必要があるポイントです。

・設置可能な床面積
ガンドリルマシンはその構成上、様々な部品が組み合わされており大型になりやすい傾向にあります。

そのため、作業動線などに配慮した床面積は確保できるのかを、しっかり検討しておくこともポイントです。

・床面の平面度
どの加工機械にも当てはまることですが、精度ものを加工するには床の平面度が適正値であることは必須条件です。

新設した床以外では、他の加工機を移動させて確保した床である場合が多いです。

そのため、しっかり床の平面度を計測し直しておくこともポイントです。

②加工能力

・加工径・加工長
基本的なポイントですが、加工可能な加工径加工長は気にしなければいけません。

取り扱うメーカーの型式によって、同じ加工径でも加工長が異なる場合もありますので、よく確認するとよいでしょう。

・クーラント圧力
切削油(クーラント)は、ガンドリルの油穴を経由して切削面に供給されています。

そのため、加工径と加工長に応じて適切なクーラント圧力があり、適正範囲をカバーしているか注意しておく必要があります。

なお、ドリルの遠心力やドリル径の影響により供給圧力の低下を引き起こす恐れがあることも、気にしなければいけないポイントです。

(3)主力製品の動作事例

ハイタック社製の相対回転式のガンドリルマシンの段取りから加工までの様子が紹介されています

倉敷機械社製の複合型ガンドリルマシン KGM-1511Zが紹介されています

4.製造業のWebマーケティングに関するご相談は株式会社ストラーツ

近年、医療分野や自動車分野などの小径深穴加工のニーズが高まっており、その加工ができるガンドリルマシンに注目が集まっています。

今回ご紹介したのは、ガンドリルマシンの特徴だけに過ぎません。導入に関して困っている場合は、ガンドリルマシンに精通したメーカに一度問い合わせることをおすすめします。

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