製造業にとっての展示会は、新規顧客の獲得や業界関係者へのPRのためには欠かせないイベントです。新しい製品や技術をショーケースに展示したり、デモンストレーションをして実際に見せたりすることで、集客したいと考えている企業は多いでしょう。
本記事では、製造業向けの主要な展示会の紹介に加えて、展示会を成功させるためのコツなどについてご紹介いたします。
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1.製造業向けでおすすめの展示会
製造業向けの展示会は、大規模で複数テーマを取り扱う総合展示会と、特定のテーマを取り扱う専門展示会に大きく分けることができます。それぞれで主要な展示会をいくつかご紹介いたします。
(1)総合展示会
①ネプコンジャパン
ネプコンジャパンは、アジア最大級のエレクトロニクス開発・実装展です。最先端の電子部品や材料・製造技術・実装技術・検査機器などが出展されています。
2021年度は以下の6展で構成され、国内外のエレクトロニクス・半導体・センサ・電子部品・自動車・電装品メーカーとの商談の場として活用されています。
- インターネプコン ジャパン:エレクトロニクス製造・実装展
- エレクトロテスト ジャパン:エレクトロニクス検査・試験・測定展
- プリント配線板 EXPO
- 電子部品・材料 EXPO
- 半導体・センサ パッケージング技術展
- エレクトロニクス業界向け 微細加工 EXPO
主催者:リード エグジビション ジャパン 株式会社
URL:https://www.nepconjapan.jp/ja-jp.html
②オートモーティブワールド
オートモーティブワールドは、自動車関連の技術が一堂に出展される展示会です。自動運転・電子化・電動化・コネクティッドカー・軽量化などの自動車業界における先端テーマが出展されています。
2021年度は以下の7展で構成され、自動車メーカーや自動車部品メーカーの来場者とサプライヤーが多く集まりました。
- カーエレクトロニクス技術展
- EV・HV・FCV技術展
- クルマの軽量化技術展
- コネクティッドカー EXPO
- 自動車部品&加工 EXPO
- 自動運転 EXPO
- MaaS EXPO:統合型モビリティサービス開発・活用展
主催者:リード エグジビション ジャパン 株式会社
URL:https://www.automotiveworld.jp/ja-jp.html
③日本ものづくりワールド
日本ものづくりワールドは、製造業の「短期開発、生産性向上、品質向上、VA/VE、コストダウン」に寄与することを目的としたものづくり技術の総合展示会です。
2021年度は以下の9展で構成され、国内外の製造業企業へ製品や技術を売り込むことができます。
- 設計・製造ソリューション展
- 3D&バーチャルリアリティ展
- 機械要素技術展
- ヘルスケア・医療機器 開発展
- 工場設備・備品展
- ものづくりAI/IoT展
- 次世代3Dプリンタ展
- 航空・宇宙機器開発展
- 計測・検査・センサ展
主催者:リード エグジビション ジャパン 株式会社
URL:https://www.japan-mfg.jp/ja-jp.html
④TECHNO-FRONTIER
TECHNO-FRONTIERは、メカトロニクス・エレクトロニクスやそれらに関連する専門領域の最新技術と製品が紹介される展示会です。
2021年度は以下の11展で構成されており、要素技術から製品設計に関するソリューション技術まで幅広い製品と技術が展示されます。
- モータ技術展
- モーション・エンジニアリング展
- メカトロニクス制御技術展
- 電源システム展
- 電子部品材料展
- EMC・ノイズ対策技術展
- 熱設計・対策技術展
- 開発・設計DX
- 部品設計・加工技術展
- 非接触Tech
- 自治体パビリオンエリア
主催者:一般社団法人日本能率協会
URL:https://jma-tf.com/real/
(2)専門展示会
①INTERMOLD/金型展・金属プレス加工技術展
INTERMOLD/金型展・金属プレス加工技術展は、工作機械などの金型加工技術や、金属プレス加工の技術や新製品が一堂に出展される展示会です。
金属加工業界に特化した展示会であり、工作機械・工具・測定器・プレス機械などが出展されるほか、金型を用いるプラスチック加工機や加工技術も出展されます。
主催者:一般社団法人日本金型工業会
URL:https://www.intermold.jp/
②JECA FAIR
JECA FAIRは、電気設備に関する総合展示会です。電機設備に関する資機材や工具・計測器・ソフト・システム等の新製品や、施工技術などが出展されます。
インフラや住宅、オフィスビル等の電気設備を建設・保守管理する企業が来場し、出展者と来場者の新たなビジネスチャンスが生まれています。
主催者:一般社団法人日本電設工業協会
URL:https://www.jecafair.jp/
③フードテックジャパン
フードテックジャパンは、食品工場や飲食店の自動化・省人化を実現するための製品や技術が出展される展示会です。食品工場向けのロボット・IoT・AI・製造・包装・検査機器や、飲食店向けの調理・飲料ロボット・注文配膳ロボット、デリバリーシステムなどが多く出展されます。
人手不足解消や労働環境の改善を目指した食品業界の企業が多く来場する商談の場となっています。
主催者:リード エグジビション ジャパン 株式会社
URL:https://www.foodtechjapan.jp/ja-jp.html
(3)製造業向けの展示会情報まとめ
ここまでにご紹介した展示会の開催時期や規模感などの情報をまとめております。展示会への出展を検討されるときの参考にしていただければ幸いです。
*2021年3月時点での情報を基に記載しております。
展示会名 | 対象業界 | 開催場所・時期 | 出展社数 |
ネプコンジャパン | 電子機器、電子部品、半導体、自動車など | 東京:1月 名古屋:10月 | 2021年度:1,006社*同時開催展を含む |
オートモーティブワールド | 自動車 | 東京:1月 名古屋:10月 | 2021年度:1,006社*同時開催展を含む |
日本ものづくりワールド | 製造業全般 | 東京:3月 名古屋:4月 大阪:10月 | 2021年度:1,120社(予定)*同時開催展を含む |
TECHNO-FRONTIER | 産業機器、自動車、電子機器など | 東京:6月 | 2021年度:500社(予定) |
INTERMOLD/金型展・金属プレス加工技術展 | 金属加工、プラスチック加工 | 東京:4月 | 2019年度:462社 |
JECA FAIR | 電気設備 | 大阪:5月 | 2021年度:172社(予定) |
フードテックジャパン | 食品 | 東京:10月 | 2020年度:400社 |
2.製造業が展示会に参加するメリット
続いて、展示会に参加するメリットをご紹介します。
(1)多くの見込み顧客に対してまとめてPRできる
多くの展示会はテーマが決まっており、そのテーマに興味があったり、課題を感じている企業の担当者が来場する場合がほとんどです。つまり、「来場者=見込み顧客」であると捉えることができます。
大規模な展示会であれば、10万人以上が来場することも少なくありません。多くの見込み顧客に対して一度にまとめてPRができるというのは、展示会の大きなメリットだといえます。
また、日頃の営業活動では、既存顧客や、既存顧客と同業界・同業種の企業にアプローチするのが一般的でしょう。しかし、展示会には幅広い顧客層が来場するため、今まで接点が持てなかった業界・業種の企業と出会える可能性があります。
展示会で出会ったことをきっかけにして、今までにない販路が開拓かもしれないというのも、展示会の魅力の1つです。
(2)見込み顧客と直接商談ができる
展示会では、自社ブースに来場した見込み顧客と直接対面して話すことができます。実際に製品を手にとって見てもらったり、デモンストレーションしたりしながらPRすることで、製品の良さを実感してもらいやすくなるでしょう。その場で成約するまでは至らなくても、名刺交換をして後日商談する約束を取り付けることができれば、展示会に出展した効果は十分にあったといえます。
また、見込み顧客との会話の中で、顧客の抱える課題やニーズといった有益な情報を得られることもあります。
(3)既存顧客との接点にもなる
展示会へは、新規顧客だけでなく既存顧客も来場する場合があります。既存顧客に対しても新製品や技術を紹介することで、新たな商談につなげることができるでしょう。
出展社が既存顧客などへ招待状を送れる展示会も多いため、上手く活用すれば既存顧客との関係性を深めることができます。
(4)業界動向を知ることができる
展示会には、顧客の開拓以外にもメリットがあります。それは業界動向を知れることです。同じ展示会に出展している競合企業の分析をしたり、来場者と会話したりする中で、どんな製品や技術が求められているのかを知ることができます。
展示会で得た情報を自社の新製品や新技術の開発に活かすことで、顧客ニーズに合致した施策を打てるようになります。
3.製造業が展示会に参加するときに準備しておきたいこと
前章でご紹介した展示会のメリットを受けるには、参加前の準備がポイントです。では具体的に何をすればいいのか、ご紹介します。
(1)来場者の目に止まるようなブースを作る
展示会で何よりも重要なのはブースです。多くのブースが立ち並ぶ展示会場の中で、自社のブースを見つけて興味を持ってもらうためにも、ブースにこだわるようにしましょう。
成果を挙げやすいブースにするために、意識しておきたいことをいくつかご紹介します。
- 来場者が多く流れてくる動線上にブースを構える
- ターゲット顧客にとって魅力的なキャッチコピーを考え、ブース上部などの目立つ部分に表示する
- 写真やイラストなどを活用して、一目で来場者にメッセージが伝わるようにする
- 何が特徴かを覚えてもらいやすくするために、展示物はある程度絞る
- ブース内の動線も考えて、来場者が気軽に入りやすい雰囲気をつくる
(2)来場者の興味を惹くようなPR方法を考える
ブース内で単に製品や技術を展示しているだけでは、来場者の興味を惹けない可能性があります。自社製品や技術に合っており、なおかつ来場者が興味を持ってくれそうなPR方法を考えて準備しておくのがよいでしょう。
展示会で効果的とされているのが、デモンストレーションや動画を使うことです。人は動いているものに反応しやすいため、実際に製品を使っている様子を見せたり、事例や製造過程を動画で見せたりすると、来場者の興味を引きやすくなります。
来場者に対して紹介をする上でも、デモンストレーションや動画を使った方が説明がしやすくなり、具体的なイメージを持ってもらえます。
(3)チラシやパンフレットなどの配布物を作成する
展示会では、チラシやパンフレットといった配布物を準備しておき、来場者に渡すのが効果的です。展示会後にそれらを見ることで、自社のことを思い出してもらえたり、問い合わせをしてくれたりする可能性があります。
また、ブース内が盛況だと自社のメンバーが足りなくなり、他の来場者に紹介をしている間に新たな来場者が離れていってしまう場合もあります。そういった来場者を手放さないためにも、配布物だけでも持って帰ってもらえるようにしておくと良いでしょう。来場者の中にはブース内で話は聞かずに、配布物だけ持って帰るという人も大勢います。
4.製造業が展示会に参加したあとにしておきたいこと
展示会に参加するときは、参加して、いろんな企業担当者と話をして終わり、とならないようにするのが重要です。あくまで自社の売上を上げるための活動なので、参加後の行動も大切になってきます。
最後に、展示会に参加したあとにしておきたい3つのことをご紹介します。
(1)来場者のランク分けを行う
展示会の終了後は、来場者の名刺を集めて整理することから初めましょう。来場者の名刺情報やブースで話をした内容、課題やニーズといった点を踏まえて、ランク分けを行います。
すべての来場者に同じようにアフターフォローをするのは到底難しいため、ここでのランク分けに従ってアフターフォローの内容を決定していきます。
展示会が終わったらすぐにアフターフォローを行えるように、事前にヒアリングシートなどを準備しておいて、展示会中にランク分けまでできると理想的です。
(2)アフターフォローを実施する
来場者が自社のことを覚えていてくれる間に、素早くアフターフォローを行って商談化させましょう。上述した来場者のランク分けに従って、アフターフォローの内容を決定していきます。
- 高ランクの場合は、お礼メール+商談のアポイントを電話で依頼する
- 中ランクの場合は、お礼メール+商談のアポイントをメールで依頼する
- 低ランクの場合は、お礼メールのみ送る
といったようにして、効率よく進めていくようにしましょう。
ポイントは、アフターフォローが一度だけで終わらないようにすることです。すぐに商談化できなくても、定期的にフォローしていれば、後日商談につながることもあります。
顧客に役立つ情報をメールマガジンの形で定期的に配信するといったように、工夫しながら顧客との接点を持ち続けることが重要です。
(3)展示会の成果を分析する
展示会に出展するためには、出展料、ブース装飾、配布物、人件費といったさまざまなコストがかかっています。大規模な展示会であれば、数百万円以上のコストがかかることも珍しくありません。
そのため、展示会にかけたコストに見合う成果が得られたかどうかを振り返っておくとよいでしょう。次も出展すべきかどうかや、出展するのであればどこをどう改善すればよいかを検討することで、展示会に関するノウハウが蓄積されていきます。
展示会以外にも、新規顧客を開拓するために有効な手段はあります。最近ではWebマーケティングや広告で集客が主流になっていますし、同じ展示会であっても、コストを抑えられるオンライン展示会が増えてきました。
展示会の成果を分析することで、自社にとって何がベストな集客方法なのかを考えるようにしましょう。
5.展示会や製造業のWebマーケティングに関するご相談は株式会社ストラーツへ
本記事では、製造業向けの主要な展示会を紹介し、展示会のメリットや成果を上げるためのコツについて解説しました。
製造業が営業活動をする上で、展示会は効果的です。出展して成果を上げるための術として、本記事を参考にしていただければ幸いです。
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