製造業の営業には、ノウハウが共有されておらず属人的である、特定の顧客との取引に傾倒しがちであるなど、製造業ならではの課題が多くあります。
また、特に今は、新型コロナウイルス感染症の影響で、直接企業に訪問して営業をする方法が難しくなっており、悩まれている担当者の方は少なくないのではないでしょうか。あるいは、コロナの影響で得意先が経営難となり、買い控えによって成約がなかなか取れないという状況にある企業もいるでしょう。
しかし、製造業にとって、営業はものづくりと同じように重要なことです。優れた製品や技術があっても、営業をして顧客に知ってもらえなければ意味がありません。
本記事では、製造業の営業が今重要な理由ついて解説した上で、課題を整理し、課題を解決するためのコツをご紹介します。営業に成功している事例も紹介しますので、ぜひご参考ください。
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1.製造業の営業とは?
最初に、改めて製造業の営業とはそもそもどんなことをするのか、について整理します。その上で、製造業において営業がなぜ今重要なのか、ご紹介しましょう。
(1)製造業における営業の仕事内容
製造業でも、他の業界と同様に営業職が営業活動を担っています。中小企業であれば、社長や経営層が自ら営業を行っている場合もあるでしょう。
製造業の営業スタイルには、一般消費者向けのBtoC営業と、法人向けのBtoB営業があります。さらに、BtoB営業は、新規顧客を開拓する新規営業と、既存顧客に対して営業を行うルート営業に大きく分かれています。
営業スタイルによって異なる場合がありますが、製造業での営業職の一般的な仕事内容をご紹介します。
①顧客の開拓
テレアポ、DM、展示会、ホームページなどによって新規顧客を開拓します。既存顧客に対する深耕営業や、他部門への横展開なども顧客の開拓の一部だといえます。
②顧客に対するヒアリング
企業の中で顧客に最も近い立場として、顧客の抱える課題やニーズをヒアリングし、自社にフィードバックします。
③商談
顧客に対して、自社製品や技術を紹介して売り込みを行います。顧客に合わせてカスタマイズするような受注生産の製品であれば、仕様決めや見積もりを行います。
④アフターフォロー
納品後のアフターフォローを行い、自社製品に対する感想や問題点を確認することで自社にフィードバックします。また、顧客との接点を持つことで次の商談につなげることができます。
(2)製造業の営業に求められるスキル
一般的に、営業職にはヒアリング力やコミュニケーション能力が重要だと言われています。これらは製造業の営業職にとっても同じく重要ですが、それ以外にも製造業ならではのスキルが求められる場合があります。どのような内容かみてみましょう。
①製品や技術に関する深い知識
製造業の営業職には、ものづくりに関する深い知識が求められます。自社の製品や技術について正しく理解し、顧客に対して分かりやすく説明できなければなりません。また、顧客と話すためには、顧客の製品や技術についても勉強して知識を持っていなければ、最適な提案をすることは困難です。
②製造現場との交渉力
製造現場に対する生産指示や納期管理、仕様の整合といった業務も営業職が行うことがあります。そのため、製造現場のことを理解して製造担当者と交渉できなければなりません。また、顧客が製造現場の見学や立ち会いにくることもありますが、そのときには営業職が対応することになるでしょう。
(3)製造業における営業の重要性
製造業にとって、最も重要なことが「ものづくり」であることは間違いありません。優れた製品や技術を生み出し、顧客に提供することが製造業の目的であり、それによって企業を成長させることができます。
しかし、どんなに優れた製品や技術があっても、顧客に知ってもらえなかったり、価値を認めてもらえなければ売ることはできません。
特に最近では、優れた製品や技術は当たり前のように存在しており、国内外の競合企業との差別化が難しくなっています。また、顧客のニーズが多様化しているため、優れた製品や技術だからといって売れるとは限らなくなっており、多くの製造業が悩んでいるのが現状です。
そのような状況の中で、改めて営業の重要性が増してきています。営業に注力することで、製造業は次のようなメリットを得ることができます。
- 顧客のニーズを的確に掴んで、製品や技術の開発に活かす
- 新規顧客を効率よく開拓して、顧客層を広げる
- 商談の成約率を高めて、利益を最大化する
- アフターサービスによって、顧客満足度を向上させる
製造業にとって、営業はこれまで以上に重要になるでしょう。営業職の教育や営業方法の改善に取り組んでいくことが大切です。
2.製造業の営業が抱える課題
多くの企業が、「良いモノを作っただけでは売れない」という共通認識を持っており、営業に注力しようとしています。ただ、製造業の営業はさまざまな課題を抱えており、なかなか解消できていないのが現状です。どのような課題を抱えているのかについて紹介いたします。
(1)個人のスキルに頼りがちである
営業部署の間でノウハウが共有されておらず、個人のスキルと経験に頼った営業活動が行われている企業が非常に多くあります。そのままにしておくと、業績が個人のスキルによって大きく左右される、優秀な営業担当の退職によって業績が大きく下がる、といった影響があり、企業経営における大きなリスクとなります。
また、各々が独自の判断でターゲットとする顧客や提案内容を決めていては、企業全体での営業戦略が行いにくく、製造現場とのミスマッチも起こりやすくなります。
(2)御用聞き営業だけを行っている
御用聞き営業とは、顧客の要望を聞いてそれに対応するという営業手法です。BtoBのルート営業など、顧客との信頼関係が構築されている場合に多く見られます。
御用聞き営業自体は悪いことではないのですが、そればかりしていると、顧客のニーズを先取りして提案することができなくなる可能性があります。その結果、競合との競争で差別化ができなくなり、価格や納期だけで勝負せざるを得なくなりがちです。
また、御用聞き営業は顧客との信頼関係が必要なため、新規顧客を開拓するのには適していません。
新規顧客に対して自社の強みをPRするためには、顧客の潜在的なニーズに対してどんな解決策を提供できるかを提案することが重要です。しかし、御用聞き営業だけを行っていると提案する力が培われにくく、新規顧客の開拓に苦戦することになりかねません。
(3)特定の顧客への営業しかできていない
製造業の特徴として、特定の顧客に売上を依存している企業が多いことが挙げられます。特に中小企業であれば、1社のみと取引をしているのも珍しくありません。
しかし、特定の顧客に売上を依存していると、その顧客の動向に自社の経営状況が大きく左右されることになります。需要変動の激しい現代においては、それだけで大きなリスクを負っているといえるでしょう。
リスクを回避するためには、特定の顧客に依存せずに、幅広く顧客を開拓して関係性を構築していくことが重要です。しかし、既存顧客の対応で忙しい、新規顧客の開拓が上手くいかない、といった理由で、効果的な取り組みができていない企業が多くなっています。
(4)新型コロナウイルス感染症による影響
冒頭でもお伝えしたように、2021年現在は、コロナによる影響で直接の営業が難しくなっています。
製造業は、顧客の幅が狭くなりがちな面がありましたが、それぞれの顧客との信頼関係で売上を獲得してきました。しかし今、オンラインによる営業が主流となってきているため、顧客との距離を縮めるのが難しくなってきています。これまでと同じ営業活動で、同じ成果を出すことが困難になってきているのです。
また、経済産業省が2020年6月に発表した「製造業を巡る動向と今後の課題」で、コロナによる影響で国内の製造業の2019年の営業利益が落ち込んだと示されているように、経営不振に陥ってしまった(現に今も陥っている)企業は少なくありません。そうした企業を得意先として持つ製造業は、必然的に営業を見直す必要が出てきているといえるでしょう。
3.製造業での営業の課題を解決するコツ
上述した通り、製造業の営業はさまざまな課題を抱えています。それらの課題を解決し、営業活動を最適化するためのコツをご紹介します。
(1)マーケティング活動で潜在顧客にアプローチする
特定の顧客に依存しないためには、新規顧客の開拓を継続的に行う必要があります。そこで重要になるのがマーケティング活動です。
営業活動が製品やサービスを利用してくれる確度が高い顧客(見込み顧客{リード}や既存顧客)に行うのに対し、マーケティング活動は製品やサービスを知らない顧客(潜在顧客)にアプローチする、という位置づけとなります。
そのため、マーケティング活動で顧客に自社のことを知ってもらい、売れる仕組みをつくることができれば、営業活動を効率的に行うことができるでしょう。ここでは、おすすめのマーケティング活動を3つご紹介します。
①Webサイトの活用
インターネットが普及することで、情報収集の方法はネットでの検索が主流になりました。インターネットで検索する顧客に対して有効なマーケティング手法が、Webサイトの活用です。
自社のホームページを持っているものの、効果的に活用できていない企業は少なくありません。
見栄えがよくて顧客が使いやすいデザインにする、自社製品や技術の強みが分かりやすく伝わるようにする、といったホームページの改善をすることで、営業ツールとして活躍してくれるようになるでしょう。
また、最近では自社メディア(オウンドメディア)を立ち上げて、顧客に役立つ情報をコンテンツとして発信する企業が増加しています。
自社メディアのメリットは、コンテンツを読ませる・見せることで、潜在顧客を見込み顧客にできる点です。コンテンツの質次第では、そのまま既存顧客にできる可能性もあります。また、一度作成したコンテンツは、非公開にならない限り潜在顧客にアプローチし続けてくれるため、効率よく新規顧客を開拓できます。
たとえば、株式会社ストラーツがメディア運用を手掛けた製造企業では、立ち上げから1年で、月間訪問者数がおよそ10倍に増加。
また、
- 受注につながる有効な問合せが20件/月
- サイト資料ダウンロードによる顧客リストが250件/月
と集客において大きな実績を上げています。
②オンライン展示会への出展
多くの顧客に対して一度にPRすることができる展示会は、効率的なマーケティング活動の1つです。展示会には何らかの課題を持った見込み顧客が多く集まるため、具体的な商談につながりやすいのもメリットといえます。その時点では商談につながらなくても、継続的にフォローすることで商談化できることもあるでしょう。
一方で、展示会は出展費用だけでなくブースの装飾費用や人件費も必要になるなど、費用の高さがデメリットです。また、現在はコロナの影響で、来場者がいなく、そもそも効果的ではなくなってきている面もあります。
そこで、最近、注目されてきているのがオンライン展示会です。オンライン展示会は、従来の展示会よりも低コストで出展できるほかに、人との接触を避けながら開催できるメリットがあります。
また、オンライン展示会であれば、どのような参加者が来場し、展示会内をどのように行動したのかといったデータの取得も可能なため、上手く活用すれば効率的に新規顧客を開拓できる可能性があります。
③Web広告の活用
Web広告の特徴は、細かいターゲティングができることです。自社製品や技術に関連する特定のキーワードを検索した人に対して広告を表示するなど、ターゲットを絞って効率的にPRできます。また、Web広告は数百円といった少ない費用でも出稿でき、気軽に始めやすいことも特徴です。
一方で、Web広告は奥が深く、高い成果を出すためにはノウハウが必要です。自社だけで取り組むと失敗する可能性もあるため、Web広告に詳しい企業に相談しながら取り組むのがよいでしょう。
(2)ITツールを活用して営業を効率化する
最近では、営業活動を効率化するために役立つITツールが登場しています。営業情報や顧客情報をまとめて管理することができ、営業ノウハウの蓄積や顧客ニーズの分析なども行いやすいため、多くの企業が導入を進めています。ここでは、代表的な2つのITツールをご紹介いたします。
①SFA(営業支援システム)
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動の状況や顧客情報を管理するシステムです。営業支援システムとも呼ばれています。
SFAを活用すると、顧客情報や商談の進捗状況をデータで管理できるようになり、個人のスキルに頼りがちだった営業活動のノウハウが蓄積されていきます。成約に至りやすい顧客像や提案の勝ちパターンを他の営業担当と共有したり、上司からも的確なアドバイスができるため、企業全体の営業力が底上げされていくでしょう。
また、商談で次にやるべきことを教えてくれる、商談結果や売上予測などのレポートを簡単に出力できる、といった機能がSFAには備わっていることが多く、営業活動を効率化するのに役立ちます。
代表的なものとしては、Sales Cloud、Microsoft Dynamics 365、eセールスマネジャーがあげられます。
②CRM(顧客管理システム)
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客との関係性を管理するシステムです。顧客管理システムとも呼ばれており、上述したSFAとセットになっているものも多く見受けられます。先にご紹介した3種類の代表的ツールにも搭載されています。
CRMの主な機能として、顧客情報や商談情報の管理機能、メール配信やアンケートなどのプロモーション機能、レポート機能、の3つが挙げられます。
CRMは営業だけでなく、開発、サービス、マーケティング、経営戦略などにも活用されており、企業内の各部署が独自に持っている顧客情報を一元管理できます。SFAがあくまでも営業活動に焦点を当てたシステムであるのに対し、CRMは自社と顧客の関係をより広い視点で管理するためのシステムだといえるでしょう。
4.営業に悩む製造業が参考にしたい事例
今の製造業は、ITツールで効率化する方法もありますが、やはり従来の営業という括りにとらわれず、マーケティングという幅広い観点から活動することが重要になっています。
特にWebサイトの構築は、時間や場所にとらわれず多くの顧客にアプローチでき、営業のよくある課題を解決する方法として有効です。
そこで最後に、Webサイトを使った営業(マーケティング)を行っている企業をふたつご紹介します。
①株式会社キーエンス
株式会社キーエンスは、多種多様なセンサや測定機、安全機器などを開発するメーカです。こちらでは、「センサとは.com」や「安全知識.com」、「測定器ナビ」など、ジャンルごとに基本的な知識を紹介するオウンドメディアを運営し、潜在顧客にアプローチしています。
Webサイト:https://www.keyence.co.jp/
センサとは.com:https://www.keyence.co.jp/ss/products/sensor/sensorbasics/
安全知識.com:https://www.keyence.co.jp/ss/products/safety/knowledge/
測定器ナビ:https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/measurement-selection/
②日本サポートシステム株式会社
日本サポートシステム株式会社は、関東最大級のロボットシステムインテグレータです。同社が運営するオウンドメディアでは「おしえてJSS」では、FA業界に携わる担当者に向けて、専門性の高い記事を発信しています。
Webサイト:https://jss1.jp/
おしえてJSS:https://jss1.jp/column
5.製造業のWebマーケティングに関するご相談は株式会社ストラーツへ
本記事では、製造業における営業の重要性や営業が抱える課題、それらの課題を解決するためのコツなどについて解説いたしました。
多くの製造業が営業に関して共通の課題を抱えていますが、いち早く課題の解決に取り組むことができれば、大きくリードすることができます。本記事でご紹介した内容が、課題を乗り越える術となれば幸いです。
株式会社ストラーツでは、問合せにつなげる製造業ウェブサイトや記事の制作・納品までを行っています。
ウェブサイトや記事は広告と異なり、一度制作した後は、コストをかけなくても問合せ・リード獲得をし続けるという点が大きなメリット。
また、ストラーツには製造業の技術部門経験を持つライターが多数所属しており、高い専門性とSEOを両立しています。
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