自動組立機とは?基本構造や機器類の解説とおすすめ開発メーカ4選

近年、日本におけるものづくりの現場では、これまで人手で行ってきた組立作業自動化させていく流れが加速しています。

しかし自動組立機を導入するにしても、その基本構造や自動組立機を販売している企業の得意分野を把握していないと、自社に適したものがどこで製作してくれるか検討できません。

そこでこの記事では、自動組立機の基本構造搬送機構による全体構造の違い自動組立を実現している機器類の具体例を交えて、自動組立機の全体像を確認していきます。また、自動組立機を開発・販売している企業別に、自動機の特徴を解説していきます。

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1.自動組立機とは

(1)基本構造

自動組立機は、これまで人手で組立を行っていた作業を自動化したものであり、言うなればそれ自体がノウハウの結晶でもあります。

機械の要素技術や機構を設計する機械分野、電気配線や制御盤設計を行うハード面の電気分野、装置全体を動作させるPLC制御や稼働状況を管理するソフト面の制御分野。これらの分野が複合的に組み合わさって自動化を実現しています。

ここでは自動組立機の基本構造を、構成される役割別の切り口で紹介していきます。

①供給部

プラスチック製や金属製の組み付け部品の供給や、潤滑剤や接着剤などを供給する役割を持ちます。

組み付け部品を供給する機器は、小さな部品はパーツフィーダ、大物で軽いものはフィーダ式ホッパなどがよく使用されます。また、潤滑剤や接着剤などの液体材料を供給する機器は、定量吐出を行うディスペンサーが使用されます。

②組立部

供給された部品を機械装置を用いて組立てや組み付けを行う役割を持ちます。組立方法は、ねじや圧入による組立から、熱・超音波による溶着、化学反応による接着など様々です。

組み付けを行う機器は、主に空気圧回路で駆動するエアチャックエアシリンダなどがよく使用されます。

③搬送部

組立製品(ワーク)を次工程へ搬送する役割を持ちます。搬送方法は、コンベア搬送ロボット、エアチャックを利用したトランスファ送りなど様々です。

また、搬送機構と組立部などの機械装置の配置によって、自動組立機全体のレイアウトに影響します。これについては、下記「(2)搬送機構による違い」で解説していきます。

④検査部

組立製品(ワーク)に部品の欠品はないか、品質基準を満たしているかなどを検査する役割を持ちます。

検査方法は、主にエリアセンサカメララインセンサカメラを使った画像検査です。カメラの応答周波数や視野角、画素数などが検査精度に影響します。

⑤排出部

検査部で良品・不良品と判定された組立製品(ワーク)を排出する役割を持ちます。自動組立機で製品として完成するもの(良品)は、梱包工程を経て排出されるのが一般的です。

排出を行う装置は、パレタイジングロボット無人搬送車(AGV)などがよく使用されます。

(2)搬送機構による全体構造の違い

自動組立機の構造は、搬送機構と組立部などの機械装置の配置によって、ロータリー型直線型(ライン型)に大別されます。

搬送機構が組み合わされた自動組立機も存在しますが、ここではロータリー型とライン型の特徴について、それぞれ解説していきます。

①ロータリー型

ロータリー型は、放射状に機械装置を集中的にレイアウトする構造です。搬送機構として、主にインデックステーブルが使用されます。搬送工程・距離を簡略化することに適しているため、サイクルタイムが短くなるのが特徴です。

【メリット】
・組立製品(ワーク)を固定する治具の数を抑えられるのでコスト面に有利
・機械装置を集中的にレイアウトするので工場フロアの占有スペースを抑えられる
・搬送機構を簡略化することができるので、サイクルタイムが短い

【デメリット】
・組立製品(ワーク)の設計変更に伴う工程の増設など、後からの変更に対応することができない
・機械装置が密集しているためメンテナンス性が悪い

②ライン型

ライン型は、直線状に設置されたコンベアを基準に機械装置をレイアウトする構造です。搬送機構として、主にコンベアが使用されます。搬送には組立製品(ワーク)の位置決め機構が必要ではありますが、組立工程間にバッファを持つことができるので、ライン全体の稼働率低下を抑えられるのが特徴です。

バッファとは、組立工程間に仕掛かり品としてワークを一時的に貯留する設備のことを指します。バッファステーションとも呼ばれます。

【メリット】
・組立工程ごとにユニット化することが可能なので、レイアウトがしやすくメンテナンス性が良い
・組立製品(ワーク)の設計変更に伴う工程変更など、後からの変更に対して柔軟に対応することができる
・組立工程間にバッファを持てるのでライン全体の稼働率低下が抑えられる

【デメリット】
・組立製品(ワーク)を固定する治具が多数必要となりコストが割高
・工程間に余裕を持たせて配置するため工場フロアの占有スペースを要する

▼参考文献

(3)組立機導入によって期待される効果

自動組立機は、これまで部品点数や作業工程、工数も多い組立作業を自動化させ、生産効率を上げたい場合に導入されます。具体的にどのような効果があるのか、ご紹介しましょう。

①省人化

最初に自動組立機の導入で期待されるのは、省人化です。

これまで、組立作業では何人もの作業員を割り当てなければいけないのが一般的でした。ですが、自動組立機を導入することで組立作業を機械装置に任せることができるようになります。

②品質の均一化

次に自動組立機の導入で期待されるのは、品質の均一化です。

安定して同じ品質のものを仕上げるには経験が必要になるので、人手ではどうしても品質のバラつきが発生してしまいます。この品質の個人差を、自動機を導入すれば均一化することが可能です。

また、品質を均一化すれば、安定した供給に繋がります。そこを下地として、さらに品質を向上させることも目指せます。

③省スペース化

これまで人手で組立を行なっていた場合、作業スペースや作業動線を確保するスペースを用意しなければなりませんでした。ですが、装置同士の干渉などに注意して自動組立機を設計すれば、工場フロアの占有スペースを抑えることが可能になります。

2.自動組立を実現している機器類

ここまで自動組立機に関する全体像を確認してきました。

ところで、自動組立機の導入では、「自動組立は、こんな機器を利用して成立している」と知っておくと、開発メーカやロボットシステムインテグレータからの提案が理解しやすくなります。そこで、次に、自動組立を実現している機器の種類と、代表的な機器についてご紹介します。

(1)機械(装置設計)

①ねじ締め機

供給部からドライバー先端のチャック部までエアー圧送することで、ねじ締めを行える機器です。

代表的なものは日東精工製の自動ねじ締め機です。トルク調整もできるので、組立製品(ワーク)にあったねじ締結ができます。

②ディスペンサー(塗布機)

潤滑剤や接着剤などの液体材料を、安定して定量吐出を行える機器です。

代表的なものは武蔵エンジニアリング製のディスペンサーです。吐出制御技術で液ダレの防止粘度変化にも対応しています。

③エアチャック

小物から大物まで安定して把持・保持を行える機器です。

代表的なものはSMC製のエアチャックです。シリーズバリエーションが豊富で状況や用途に応じたエアチャックを選定できます。

(2)電気(ハード)

①光電センサ

光の性質を利用して、組立製品(ワーク)の有無や色相の変化などを検出できる機器です。

代表的なものはオムロン製の光電センサです。検出面の耐汚性に優れており、状況や用途に応じた光電センサを選定できます。

▼参考文献

②近接センサ

検出コイルに磁界を発生させて、金属体の接近・接触を検出できる機器です。他にも、静電容量の変化から、樹脂や粉体などを検出できるタイプもあります。

代表的なものはOMRON製の誘導形近接センサ、静電容量形近接センサです。シリーズバリエーションが豊富で、状況に応じた近接センサを選定できます。

③検査カメラ

カメラから取り込んだ画像を画像処理にかけて良品・不良品の検出を行える機器です。

代表的なものはOMRON製のスマートカメラです。複数のシリーズがあり、用途に応じたスマートカメラを選定できます。

(3)制御(ソフト)

①PLC

空気圧回路や産業用ロボット、センサなどのシーケンサ制御を行える機器です。

代表的なものは三菱電機製のMELSEC iQ-Rです。複数のシリーズがあり、用途に応じたPLCを選定できます。

3.各社が開発している自動組立機の特徴

自動組立機の仕組みや用いられている具体的な機器をおさえたら、いよいよメーカの選定です。

以下、現在開発・販売されている主な自動組立機の特徴を、メーカごとにご紹介します。導入するときの参考としてください。

(1)ぺんてる株式会社

ぺんてる株式会社では、ボールペンチップ組み付けや修正液前軸組立を主にライン型の自動組立機で行っています。必要とする生産能力や工場の設置スペース、予算などを考慮した最適な自動組立機の提案を行っています。

▼特徴
直径Φ0.9〜Φ1.2mm、長さ7.0〜8.0mm程度の極小部品の組立得意としています。
この組立技術は電子部品や医療用品の組立にも応用でき、携帯電話用のマイクや注射針の用途にも利用できます。
組立実績としては、Φ1.2mmのコイルスプリング、Φ0.3mmの針などの微細部品の組立です。

▼参考文献

(2)株式会社三信精機

株式会社三信精機では、化粧品設備で培った技術を活かし、筆記具の組立・充填を主にライン型の自動組立機で行っています。

▼特徴
口紅、ファンデーションといった色のついた物を主体にしており、粉体の成形充填設備を要する製品の製造・組立得意としています。

▼参考文献

(3)株式会社新興技術研究所

株式会社新興技術研究所では、生産自動化設備の技術コンサルから設計・製作をしており用途に合わせた自動組立機を製造しています。

▼特徴
人の複雑な手の動きで組立てられる工程の自動化を得意としています。
サーモスイッチの自動組立や、自動車用イグニッションコイル自動組立、小型コイル・コア高速自動組立といった幅広い組立機の導入実績を持ちます。

▼参考文献

(4)株式会社FUJI

株式会社FUJIでは、リード部品異形の電子部品の組みつけをモジュール型の自動組立機で行っています。

▼特徴
これまで手作業で行っていたリード部品の曲げ挿入カット工程を自動で行い、部品を把持したままの半田付け得意としています。
他にも表面実装機スクリーン印刷機のラインナップがありニーズに沿った装置を選択できます。

▼参考文献

4.自動組立機導入におすすめの相談先3選

ここまで自動組立機の全体像から、自動組立を実現している機器類、各社が開発・販売している自動組立機を見てきました。

ですが、自動組立機を導入するためには自動組立機の知識の他にも、付帯設備や安全対策、教育なども考えておかなければいけません。そのため、自動組立機導入の経験豊富な専門業者に相談するのがおすすめです。

最後に、相談先としておすすめのメーカをご紹介していきます。

(1)日本サポートシステム株式会社

日本サポートシステム株式会社は、取引実績400社以上、製造実績10,000台以上を誇る関東最大級のロボットシステムインテグレータです。工場設備・機械の設計・製造・納品を一貫して行っています。

  • 住所:茨城県土浦市卸町2丁目13-3
  • TEL:050-1743-0310
  • URL:https://jss1.jp/

(2)筑波エンジニアリング株式会社

筑波エンジニアリング株式会社は、ファナックの最新技術に精通し、生産装置の基本構想から現地立ち上げまで全て社内一貫製作を行っているロボットシステムインテグレータです。

人工臓器部品からおせち料理の重箱まで、幅広い分野の組立工程を自動化してきた実績があります。お客様のニーズに沿った生産システムの提案を得意としています。

(3)エヌ・アール株式会社

エヌ・アール株式会社は、ロボットシステムや組立機などの専用機の設計・製作・組立・工事まで一貫して行っているシステムインテグレータです。医療関連から自動車関連、食品関連など製作機械の実績があり、幅広い分野の自動化ニーズに対応しています。

5. 製造業のWebマーケティングに関するご相談は株式会社ストラーツ

自動組立機は、人手で行ってきた組立作業をただ機械に置き換えたものではありません。

これまで培ってきたノウハウを、機械の動作や仕組みに落とし込んだものです。機械分野、電気分野、制御分野が複合的に組み合わさった機械のため、ポテンシャルを最大限に引き出したいのであれば、知見のある専門家に相談しながら、導入の手続きをすることをおすすめします。

株式会社ストラーツでは、問合せにつなげる製造業ウェブサイトや記事の制作・納品までを行っています。

ウェブサイトや記事は広告と異なり、一度制作した後は、コストをかけなくても問合せ・リード獲得をし続けるという点が大きなメリット。

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